第三回 現代仏教塾1 「初期仏教の輪廻思想」輪廻とは何か? https://www.youtube.com/watch?v=zsNMhDfTWC0
第三回 現代仏教塾2 「初期仏教の輪廻思想」解脱とは何か? https://www.youtube.com/watch?v=PmVHkiFGe60
第三回 現代仏教塾3 「初期仏教の輪廻思想」業とは何か? https://www.youtube.com/watch?v=9wzLrvLA3rk
仏教についてよくわからないという方のために、仏教の基本的な考え方簡単に説明をすると、仏教とは基本的には、悟りを開くことで輪廻転生の輪から外れ、再び生を受けることがなくなる解脱という状態を目指すための修行の思想です。この点は、思想家の呉智英さんは、「信じる者は救われる」という受身の宗教であるキリスト教を受けの宗教で、「思索と修行により積極的に悟りの境地を求めていく」という仏教を攻めの宗教であると分類しています(ただし、その後の念仏教などの大乗仏教では、受身の宗教の要素が濃くなっていきます)。
では、一体仏教における輪廻転生とはどのような思想なのかというと、これは業の思想と深く関係しているのですが、生き物の生は循環していて、一度死んでもまた次の生を受けるという思想です。その際、現世で良い行いをした者は、次の世では良い生を受け、悪い行いをした者は悪い生を受けます。受ける生は6種類あり(天道 人間道 修羅道 畜生道 餓鬼道 地獄道)、このうち悟りのための修行を行うことが可能であるのは、人間道だけであり、天道は神の世界や天国であるのですが、意外にも仏教では、善い行いをし過ぎて天道に入ってしまうことにも注意をするよう警告をしています。
また、仏教では、基本的に行いの結果よりも、どのような動機や、心の在り方でもって特定の行為をおこなったのかが重要であり、善の心で行った行為を善業といい、悪の心で行った行為を悪業といい、善業を行った者は良い世界に生まれ変わり、悪業を行った者は悪い世界に生まれ変わります。
ここで、鋭い方は「あれ?」と思ったかもしれません。なぜなら、仏教の最終目標は解脱であり、善業を行うと良い世界に生まれ変わってしまうということは、実は、仏教はこの善業も否定しているということなのです。この点は、キリスト教徒等とは大きく異なる点で、「現世で善い行いをしたので天国に行くことが出来ましためでたしめでたし」とはならないんですね。
では、一体、仏教ではどのような行為が望ましいのか?というと、善の心も、悪の心も持たずに行為する無記業が望ましいのだとされています。つまり善の心も悪の心も持たずに行う行為である無記業のみが解脱への道であるというのですね。
これについては、様々な解釈がなし得るでしょうが、先の動画で解説していた方は、このように解釈していました。仏教において克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩である貪・瞋・癡(とん・じん・ち)を捨て去った時、人は善行を行わずにはいられないというのです。例えば、困っている人も見たときに、貪という貪りの心がなければ、めんどくさいから助けたくないとか、この人を助けるよりももっと楽しいことをしたいといった心から、その人を助けるということをしないということはなくなりますし、瞋という怒りの心がなければ、この人は嫌いだから助けたくないというようなこともなくなります。
私は、この話を聞いて幕末の幕臣であった山岡鉄舟などを思い出しました。剣と禅と書の達人であったと言われる山岡鉄舟は、他者に望まれればいつでも無償で書を書き他者に渡し、「謝礼を出したい」と相手が言ってきた時のみ「ありがとう」と言って受け取り、また、困っている人物が訪ねてきたら、そのお金を渡したと言います。これなども「積極的に善行を積もう」というようなギラギラした意識からなされたというより、全くの無為無欲の境地からこのような行為に及んでいたのではないかと思います。
やはり、人間、どうしても悪の心が善の要素を内包し(罪悪感、後悔、悲しみ、同情の念、等々)、また同時に善の心の中には悪の要素を内包せずにはいられないのではないでしょうか?例えば、「自分は善行を行ったのだ」という意識はどうしても感謝や見返りを求める心を生み、また、期待しただけの感謝や見返りが得られなかった場合、相手に対する失望や恨みを生む可能性が生じます。であるならば、そのような悪しき心も寸分も生まないためには、どうしても善の心から行為を行うのではなく、無記つまり善の心でも、悪の心でもない精神状態から行為を行う必要があるのではないでしょうか?(ちなみに悟りを得た阿羅漢の行為は無記業であり、阿羅漢の行為は業が返ってこないために解脱が可能になると考えられています)。
一見すると、逆説的に思えますが、意外にもこの考えは直感にも適合していて、やはり私たちが想像する最も素晴らしい善人は、「私は、善人です!!」というような自意識に満ち満ちているような人物ではなく、むしろ無私の精神を持った人物であって、例えば(一般にイメージされる)マザーテレサなどの行為も、「よしここで善い行いをしてやろう」というような意識から出た行為とは考えにくいワケです。
まあ、そんなワケで、別に輪廻転生や悟りや解脱の思想を信じないような人物であっても、このような仏教の教えから得られるものもあるのではないかなぁなんてところでまとめにしようかと思います。
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