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2013年07月15日

『反・自由貿易論』(著 中野剛志)を読んで〜日本がTPPを批准しなかった場合何が起きるか?〜



 なんとなく、これ以前に書かれた『自由貿易の罠〜覚醒する保護主義〜』と似た内容の一冊。しかし、TPPという言葉が日本で話題になるはるか以前に、現在行われている様々な貿易協定の問題点を的確に指摘していたという点は、さすが鋭い認識力と先見力の持ち主であると感心させられる。

 『自由貿易の罠』では、あとがきにて

 保護主義については以前から関心があったが、正直に告白すれば、一冊のまとまった本として論ずることが出来るか否かは、依頼を受けた時点では自信がなかった
 しかし、実際に検討を開始してみると、保護主義を説得的に擁護できる議論が、予想以上に存在することが分かった。逆に、自由貿易の原則を信じるに足る理論的根拠は、ついに見つからなかった。


と書いているのであるが、この思いは今でも全く変わりはないのであろう。特に昨今のように、世界の様々な国同士で結ばれるEPA・FTA等の貿易協定が大変多くの弊害を生み出している状況を目の当たりにしてますますその思いを強めているだろう。

 ちなみに、この『反・自由貿易論』では、もはや絶望的な状況になりつつあるTPP問題において、仮に日本が土壇場で条約を批准しなかった場合に、一体何が起こるか?という事についてオーストラリアの教授が書いた本『異常な契約-TPPの仮面を剥ぐ』の議論を引用してこのように説明している。

 もし日本がTPPへの参加を明確に拒否した場合、何が起きるでしょうか。おそらく多くの人が、アメリカとの関係が悪化することを一番懸念するのではなでしょうか。
 この点に関しても、本書の冒頭で参照した米豪FTAの例が参考になります。リンダ・ウェイス教授らが論じたように、オーストラリアもまた、アメリカとの同盟関係に配慮して、米豪FTAに合意したのですがウェイス教授らは、前述の著書の中でオーストラリアは米豪FTAの批准を拒否すべきだと主張し、次のように述べています。


 批准拒否するということは、「アメリカ人が持ち込んできたFTAには気をつけろ―注意深く検証すれば、これらのFTAは参加する価値が全くないだろう」という強いメッセージを世界中に送ることでもある。オーストラリアは、アメリカのFTAというジャガノート(訳註・人間を轢き潰すヒンドゥー教の神を祭る山車)が動き出すのを止めたとして、世界中から称賛されるだろう。これもまた、私たちの不利益になるようなことではない。
 われわれが米豪FTAの批准を拒否したら、アメリカは敵対的な行動だとみなすだろうか?それも逆だと示す証拠がある。批准を拒否しても、我々がアメリカに何かしたというわけではない。我々は、アメリカとの共同の軍事行動を行うのを拒否するわけではないのだし、すでに十分受け入れているアメリカの製品や投資を拒絶しようというのでもない。我々は、単に「あなた方の基準ではなく、われわれの基準で物事を考えているのです」と言えばよいだけである。そうすれば、今日、日本以上に攻撃的な経済ナショナリストと化しているアメリカは、オーストラリアの独立心の表現とみなし、少なくとも非公式にはこれを評価するだろう。強い心をもった現実主義者であるアメリカ人たちは、我々がこんな不平等な取引になびいたら、少なくとも私的な立場においては、それを従順さと卑屈さのしるしだとみなすだろう。


(中略)もし、日本の首相が…TPPを拒否してみせれば、オバマ大統領は少なくとも内心では納得せざるを得ず、それを言い切った日本の首相に対して敬意を払うでしょう。そして、アメリカが主導するグローバル化は失敗であり、国内社会を犠牲にせず、各国の多様性と自律性を認める新たな「国際化」の世界秩序が必要であるというメッセージを、世界に向けて発信することができるのではないでしょうか。
(『反・自由貿易論』著 中野剛志 p193)


 全くもって、同感である。経済評論家の廣宮孝信さんは安倍首相がTPP交渉の参加表明を行う前の時点において、「仮に安倍首相が早い段階でTPPの不参加を明確に表明した場合、他国に対してTPPはクソ条約だと宣言したに等しくTPPの年内条約締結を目指すアメリカの面目を完全に潰す事になる。だから、TPPに関しては参加とも不参加とも明言せず出来る限り決断自体を先延ばしにするべきだ。」とった主張をしておりまったく理に適った選択であると感心したが(もっとも、安倍首相の参議院選挙前のTPP交渉参加表明はそれを完全に台無しにしてしまった)、先の引用で書かれていたように、むしろ積極的にTPPを拒否する姿勢を見せることにもメリットはある。特に、中野剛志さんが開国病などと揶揄するグローバル化大好き連中が散々に述べている「世界から尊敬される国家に」なる事を考える場合。1000年に1度の大災害を経験した東北地方をさらなる地獄に突き落とすに等しいTPPという条約を受け入れることは、国際社会から軽蔑されることはあれど、全く尊敬されず、ただただアメリカに追従するために国内の被災地を見捨てる冷酷で卑屈な国家であると見做されるだろう、実際にそれ以外に評価のしようもない。

 最後に、安倍首相が第一次の安倍政権時から主張しているいわゆる価値観外交についてもすこし言及しておきたい。まず、この点について第一に述べたい事は、戦後最も多くの戦争を行ったアメリカに対して日本と価値観を同じくする仲間であるなどという欺瞞は即刻止めて欲しいという事だ。さらに、アメリカのようなマッチョなナルシシズムと個人主義、利己主義に凝り固まった精神性も、安倍首相の掲げる瑞穂の国という理念とは決して相容れないものであろう。確かに、現実の日本人の価値観がそのようなアメリカ型の愚かな個人主義やナルシシズムに侵食されつつあるという事は事実であるとしても少なくともそれは日本人が理想とする精神性とは決して親和的ではあり得ない。

 そして、第二に、すでにオバマ大統領はそのような価値の次元を政治や各政策の中心課題には据えていないという問題もある。実際、オバマ大統領が演説で貿易協定について述べている時、その主眼は価値観を共有する国家と自由で公平な貿易のルールを策定していこうなどという甘っちょろい理想論ではなく、徹頭徹尾国内の失業問題の解決という極めて内向きで現実主義的な問題解決のツールとして捉えている。もちろん、貿易協定によってアメリカ国内の失業問題を解決させるという事は、他国に自国の失業問題を押し付けるという事である(これを相手の国内で堂々と宣言してしまう神経には恐れ入るが)。もっとも、リベラリストであるオバマ大統領の頭の中に一切に理想主義的なヴィジョンが欠如しているとも考えにくいが、少なくともそのような理想論に終始することが不可能な程に、現在のアメリカの国内情勢は厳しいという事だろう。

 理想主義的な価値観外交の一環として、貿易協定を捉えている安倍首相と、極めて現実主義的で利己的な目的を達成するための手段として貿易協定を捉えているオバマ大統領。このような部分にも日本とアメリカのTPP交渉における非対称性が垣間見えるように思える。



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posted by 古谷経衡と倉山満による不当な言論弾圧を許さない市民の会 at 13:52 | 神奈川 ☁ | Comment(1) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いや、だから裏はドロドロなわけで・・
距離をとってカカト落しで一発KO、なんて無理だから、
接近戦法を採っているのであって・・・
Posted by 昭和青年 at 2013年07月17日 00:25
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