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2013年06月27日

安倍首相の一貫した哲学について・・・

 ではいかにして、成長を図るのか。国を開くこと、日本の市場を、オープンにすることです。これは、政治家となって以来、私の中に流れる一貫した哲学でした。
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0619speech.html


 東田剛さんのメルマガ記事(『首相、いいかげんにしてください』http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/06/26/korekiyo-50/)で紹介されていた安倍首相のロンドン「シティ」での演説の全文を読んだのだが、これはあまりにも酷いと思ったので今回はこの演説について取り上げたいと思う。

 この演説の中で、安倍さんは電力、医療、教育といった分野において市場を開放し日本国内でのビジネスチャンスを広げるという宣言すると同時に、

>市長は、S.G. ウォーバーグでキャリアを始めた方ですから、1980年代の初め、シティのマーチャント・バンクが、こぞって東京に店を構えた時代を、よく覚えておいでですよね。
 あの頃以上の活気を、日本の随所で取り戻したいのです。ですから若い人を、「日本へ行け」と、どうか促してください。


と呼びかけている。この呼びかけがどのような意味を持つかというと、つまり、海外のビジネスマンに日本で金儲けのチャンスを与えるから日本に優秀なビジネスマンを寄こせと言ってるに過ぎない。しかも、その与える新しいビジネスチャンスがよりによって、電力、医療、教育といった国民生活の根幹に関わるインフラなのである。これは、海外のビジネスマンに日本人の国民生活を喰い物にして金儲けさせてやるという事であり。瑞穂の国を取り戻すどころか、実際には徹底した商業主義あるいは、さらに悪質である強欲な金融資本主義に屈する事にほかならない。

>日本にとって重要なのは、反・自由貿易的だとか、反米的だと批判されても、その批判に屈しないことです。軽自動車への減税を日本人はあきらめてはいけないのです。公害は勘弁でしょう。環境を守りたいでしょう。子どもは守りたいでしょう。
 そうしたことは、商業的な利益のために、投げ出してはいけない、基本的な価値なのです。そして、目指すべきは規制緩和などではないのです。議論すべきは、適切な規制とは何か、ということです。
http://shinsho.shueisha.co.jp/kotoba/1306tachimi/04.html


 スティグリッツは、このように述べ、環境や国民の基本的な安全を守るためには商業主義に抵抗しなくてはならないと述べるが、まさに安倍首相の方針とは真逆の方向性である。それにしてもノーベル経済学賞を受賞した経済学者が、国民の福祉のためには悪質な商業主義に断固として抵抗すべきであると語り、その一方で国民の生活を守り、古き良き「瑞穂の国」を取り戻すと言って政権を奪還した日本の首相がシティの投資家に、日本での基本的インフラの市場を開放するから日本の金に人材を投資してくださいと懇願する姿を見るのは滑稽でしか無い。

 安倍首相は、この演説の中で、医療関連ビジネスの市場規模を拡大させるとも言っているが、当然のことながら、アメリカの保険会社や製薬会社は必死こいて日本に高額な製品やサービスを売り込もうとしていることを考えれば、彼らのいうところの改革プランに沿って医療と保険の制度を変えれば、市場規模は拡大するであろう。安倍首相が彼らの改革プランを受け入れようとするなら、彼等はいとも簡単に医療分野保険分野の市場規模を拡大してくれるだろう医療を大幅に吊り上げることで・・・

 しかし、ここで考えなくてはならない単純な問題は「人口が一定の状況で、医療分野の市場希望が大きくなった場合、果たして国民の生活は豊かになっているのか?」という問題である。当然答えは否。国民の人口規模が一定であるならば、医療分野の市場規模の拡大は単純に言って、国民一人当たりの医療費の増大であり、これは特に低所得者層にとっては必要な医療へのアクセスが困難となる事を意味する。

 このような単純な問題すら理解せずに、医療分野の市場規模の拡大をさも良い事かのように喧伝し、さらにそのためのビジネスチャンスを海外に空け渡そうとしている様子をみると、つまるところ安倍さんは一体何が日本の国益であるかが分かっていないのではないかと思ってしまう(というか、事実分かっていなのだろう)。

 そうなれば、TPPの交渉なども非常に危険であろう。以前、中野剛志さんは、「TPPの問題で、日本に有利な交渉と馬鹿の一つ覚えに言う連中がいるが、そもそもその交渉をする人間が日本にとって有利な条件とは何かという事が理解できていないのだから話にならない」というような主旨の事を言っていた事があるが、この言葉は安倍さんにも全く当てはまる。

 言うまでもなく、デフレで国内の需要が不足している状況において、自国の市場を海外に開いて、みすみす国内の需要を海外の企業に奪われる事は、国内の企業や労働者(つまり国民)にとって死活問題である。そういった中で、「国を開くこと、日本の市場を、オープンにすること」を自分の一貫した哲学とする首相にTPP交渉を任せることは正直言って危険極まりない。

 東谷暁さんが言ったように、国土強靭化と憲法改正への道筋を立てた時点で安倍首相の役割はほぼ終えたと思って構わない。あとは、そのような1度決めた方針をただ淡々と実行していくためのある意味で非常に官僚的で面白みのない、(しかし有能な)後継者に任せればいい。もはや、日本の国益の何を如何に守るべきか?そのような基本的な認識がまったく出来ていないような首相を積極的に支持する理由はほとんど存在しないに等しい。ならば、後はその当初の目標や意志のみを引き継いだ次の人間に任せるべきであるように思う。


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posted by 古谷経衡と倉山満による不当な言論弾圧を許さない市民の会 at 06:10 | 神奈川 ☔ | Comment(6) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 TPPの問題点というのは
・中身が全くわからない(→本来賛同できるはずがない)
・国民に「国益」という考えかたがない
・TPPを受け入れる基準、受け入れない基準がバラバラである
・そもそも「保守」「日本」というものを理解している国民が少ない

 ことにあるのではないかと考えます。
だいたい、どれだけの国民が民主党政権、小泉政権とそれに対する自分自身の態度について見直したのでしょう?見直せているのなら(当たり前ですが)民主主義、国民主権、人権、グローバリゼーション、「多文化共生」に対する見方は批判的な方向へ変わっているはずですが、ほとんど変わっていない。
Posted by 日本尊皇攘夷戦線 at 2013年06月27日 12:53
筆者の見解には異論があります。最後の
”あとは、そのような1度決めた方針をただ淡々と実行していくためのある意味で非常に官僚的で面白みのない、(しかし有能な)後継者に任せればいい。もはや、日本の国益の何を如何に守るべきか?そのような基本的な認識がまったく出来ていないような首相を積極的に支持する理由はほとんど存在しないに等しい。ならば、後はその当初の目標や意志のみを引き継いだ次の人間に任せるべきであるように思う。”
という部分です。安倍さんは、憲法改正と国土強靭化だけでなく、TPP参加、電力自由化、雇用流動化など、新自由主義的な政策にも道筋をつけてしまっているため、官僚が淡々とその道筋をなぞっていくのを、強い意志を持って止めに掛かる後継者が必要ではないでしょうか。
 しかし、つい9か月前に安倍総裁誕生を心から応援していた自分がバカみたいです。「一体何のために応援し、意見送信までしたんだ。 これなら石破さんや石原さんの方が、大した期待を持たせない分まだマシだったのではないか。」と。
Posted by 名無しさん at 2013年06月27日 19:59
「国を開くこと、 日本の市場を、オープンにすること」を自分の一貫した哲学とする首相
これは結構安倍総理の本音なのかもしれないですね。
実際TPPを始めとしてかなり新自由主義的な政策を行い、肯定する発言も多々されていますから、安倍さんのまま新自由主義からの転換はもう不可能でしょうね。
転換すれば自分の政策が誤っていたと認めることになりますから。

もう新自由主義からの大幅な転換は次の方にやっていただくとして、国土強靱化(財政出動)への道筋だけはしっかり作って頂きたいですね。

Posted by しほ at 2013年06月28日 23:43
 先日、カツトシさんが今の三橋氏を支持するのかどうかをコメント欄で質問した者です。
 今回のお話を読んで、現在の安倍氏を無批判に支持している三橋氏とカツトシさんとは意見の相違が大きく、もしカツトシさんが三橋氏を支持した場合、言論に矛盾が生じますので、絶対に相容れないだろうという考えから、カツトシさんは三橋氏を支持することは絶対にできないと判断致しました。
 どうもありがとうございました。
Posted by at 2013年06月30日 05:56
 どうも、三橋さんに関しては、やはりかつて自民党の公認を頂いたこともある関係上、やはり話せることと話せない事とがあるのだと思います。

 先日の、藤井聡さんの出演したラジオでも、藤井聡さんがTPPについて批判出来なかったということもありますし、やはり政権に近い位置に行く事は、政権に直接アドバイスできるという大きなメリットがあると同時に、言論に一定の制限がかかってしまうというデメリットは避けられないのだろうと思いますね。
Posted by 管理人 at 2013年06月30日 09:55
TPP 医療 保険 で 検索中です
軍事兵器のない 戦争のない世界に なってから TPPにしたいなぁ
若者は 輸入で オレンジ 牛肉が 〜 安くなるだけと 思っているのかなぁ
TPPとは どんな世の中になるのかなぁ?TPPについて 有権者は  あー勘違いもあるかなぁ
誰かの街頭演説の責任かなぁ。政治家や立候補者は わかっているんだよね
参議院選では 三つの岐路で 消費税は もう増税と決まりなのかなぁ?
もうすぐ 参院選ですね。選挙率は どうなるかなぁ
票割れ選挙かなぁ 参議院政権?を 握るのは どこかなぁ
政治研究会(名前検討中
Posted by 村石太ダー&ケンサク仮面 at 2013年07月06日 15:19
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