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2014年10月16日

「安倍批判をしてる連中は全員反日左翼工作員在日朝鮮人だ!!」症候群

 前回の記事で解説した佐藤健志さんの記事(『【佐藤健志】黒星二つは白星ならず』http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/10/15/sato-15/)が面白かったので今回も解説、安倍信者が非常に罹りやすいといわれている恐怖の病「安倍批判をしてる連中は全員反日左翼工作員在日朝鮮人だ!!」症候群について紹介します。

自分たちが失点したという意識に悩まされている連中に限って、相手の失点を激しく攻撃、そのことで挽回(ばんかい)を図ろうとする傾向が見られること。
エドマンド・バークも、『フランス革命の省察』でこう批判しています。

「(今回の革命はあまりに無法なので)善良で冷静な判断力を持った人間なら、当然ショックを受けずにはいられない。
すると革命派は、従来のフランス王政の問題点を声高にあげつらうことでやり返す。(中略)自分たちのやり方にケチをつける者など、旧政府のイヌに決まっていると言いつのるのである」
(『新訳 フランス革命の省察』、154ページ)


 なるほど、このフランス革命の説明を現在の日本の状況に当てはめて考えると、「戦後レジームからの脱却革命」を掲げる新進気鋭の改革派総理である安倍首相を支持する革命派の人々は、素晴らしき救世主である安倍首相のあまりの無能さにショックを受ける善良で冷静な判断力を持った人間に対し、かつての民主党政権の問題点を声高にあげつらうことでやり返し、左翼工作員に決まっていると言い募るというわけですね。

「(安倍の経済政策やあらゆる改革案はあまりにも酷いので)善良で冷静な判断力を持った人間なら、当然ショックを受けずにはいられない。
すると安倍信者たちは、かつての民主党政権の問題点を声高にあげつらうことでやり返す。(中略)安倍政権のやり方にケチをつける者など、旧政府のイヌに決まっていると言いつのるのである」

 さらに、このヒステリックに反安倍の意見を述べる人間を非難する連中の哀れなところは、別に、安倍を批判してる連中のおよそ半分は別に民主党なんて全く支持していなかったし、今でも支持してないということです。つまり、勝手に妄想で、反安倍の意見を表明する人間に民主党支持者だの、朝鮮人だの、左翼工作員だのとレッテル貼りをしているわけです。もしかすると、安倍政権の無能さを薄々と認識しているからこそ、このようなレッテル貼りを行わなければ、冷静に安倍批判の声を受け取ることが出来ないほどに情緒不安定になっているのかもしれません。

 しかし、某KAZUYAなどが、未だにドヤ顔で民主党批判やら菅直人批判をし、さらにそれを賞賛する人間が一定数存在するということには驚かざるをえません。こんなもの完全に死体蹴りでしょう。デールカーネギーの本に「死んだ犬は蹴られない」と言葉が紹介されていましたが、これには少し修正が必要なようです。「ある程度まともな知能の持ち主は死んだ犬を蹴らない」うん、今となっては、こっちの方がしっくりきますね。

 ところで、私のニコ生や動画では「なんでお前は保守ばかり攻撃して左翼を攻撃しないんだ!?」というコメントが書かれたりするのですが、さっきの犬の話が全てで、「なんで、わざわざ死んで道端で横たわっている民主党犬をけっ飛ばす必要があるのか?」ということです。もはや、民主党政権なんてほとんど何の影響力もなく(まあ、せいぜい団扇問題で法務大臣をバッシングするくらいでしょうか?)、いわゆる旧来型の左翼の毒なんてほとんど何の影響もありません。今問題なのは、現在進行形で進んでいる各種のイカレタ改革プランであり、さらに言えばそれを実行している安倍政権なわけです。なので、さきの質問に答えるなら、なぜ私が民主党政権を批判せずに、安倍政権を徹底的に批判するのかといえば、死んで道端に横たわっている犬よりも、現在進行形で人間に襲い掛かっている犬を攻撃する方がどう考えても合理的だと思うからです。

 ちなみに、「安倍批判をしてる連中は全員反日左翼工作員在日朝鮮人だ!!」症候群に罹った患者たちの特に残念な特徴の一つは、どれだけ保守的な観点から安倍批判を行っても彼らの目から見ると安倍批判を行っている人物が左翼に見えるということです。

「安倍首相は立派な愛国心を持った保守政治家で、戦後レジームからの脱却を目指す救世主だ!!」という先入観からしか物事を判断できない様子は、リフレ脳のゾンビ患者と通じる面があります(リフレ脳についてはコチラの記事を参照ください⇒『何故リフレ派はリフレ理論が正しいと考えるのか?〜確証バイアスとリフレ理論〜』http://achichiachi.seesaa.net/article/406828069.html)。

 藤井聡さんが、『大衆社会の処方箋』という本を出したように、私も『リフレ脳の処方箋』や『「安倍批判をしてる連中は全員反日左翼工作員在日朝鮮人だ!!」症候群の処方箋』を書いてみたいものですが、現在のところなかなか有効な手段が確認できていません。ただ、これらの病気の原因の一つは脳や思考の硬直性にあるということがこれまでの研究によって判明しているので、こちらのブログでは、そのような病気の原因となっている思考の硬直化を予防するための適度なアタマの体操と適度に柔軟な解釈なんかを提供できればと思っています<(_ _)>



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朝日新聞は廃刊すべきヽ(*゜▽。*)ノ?????

 先日、佐藤健志さんの三橋メルマガ寄稿記事について解説してくれというコメントがあったので少し解説してみようかと思います。朝日新聞の慰安婦捏造問題とそれに対する保守派の反応についての記事のようです。

【佐藤健志】黒星二つは白星ならず
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/10/15/sato-15/

「カインズ」さんという方が、こんなコメントを寄せてくれました。

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私自身も朝日新聞はかなり問題のある会社だとは思っているということを前提とした上で、いわゆる「保守派」が行っている「朝日新聞の解体」に関する問題点を考えてみました。

1)朝日新聞を廃刊させるに足る法的根拠はあるのか?
例えば、刑法の名誉毀損罪や侮辱罪ではそこまでの責任を問うことは出来ません。「法的根拠など不要だ!!」というのなら、日本は人治国家となってしまいますね。

2)朝日新聞を廃刊に追い込むことは、同胞を愛する保守派の態度として矛盾するのではないか?
朝日新聞が廃刊になれば、多くが日本人であろう朝日新聞社員が路頭に迷うことになると思われます。それでも、「朝日新聞であれば、日本人に非ず」と十字軍的な発想で同胞であっても排撃するのでしょうか。

3)保守派は、人間は不完全な存在であるがゆえに、議論によって考えを錬磨することを重視するものである。にも関わらず、言論機関である朝日新聞を廃刊させると主張することは、日本の言論状況を貧困にすることを意味するのではないか?

たとえ朝日新聞といえども、社内にはこれまで培ってきた記事作成能力や取材能力といったノウハウの蓄積があるでしょうから、それを破壊することは大きな損失となるのではないでしょうか。
(表記を一部変更)

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すると「優しい男」さんという方が、こんなコメントをしたんですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

先見の明がある奴は朝日新聞を既に退職している。退職せずに未だに在籍している時点で自己責任。
それに奴らが路頭に迷うかは本人の能力と努力次第。出来る奴なら同業界に転職すればいい。出来ない奴なら経験不問を謳う職場に再就職してゼロから頑張ればよい。
最悪自殺する奴がいても、それはそいつの権利だ。

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みなさん、どう思われますか?

物事をこんなふうに片付けてよいのなら、
TPP参加で日本の農業が大打撃を受けてもいいし、
都市と地方の格差が拡大して消滅する自治体が出てきてもいいし、
医療や社会保障をめぐる制度が崩壊して貧困層が追い詰められてもいい、
ということになりますよ。

すべて自己責任なんですから。
能力と努力次第で出直しは可能、それができないヤツは死んでも仕方ない。

保守派を自認している(であろう)人がこれを主張するって、自滅的なことだと思うんですが。
「優しい男」さんのコメントをグローバリスト風に書き直すと、こうなったりするのです。

日本の没落?
先見の明があるヤツは日本をすでに捨てている。捨てずに未だ日本にいる時点で自己責任。
それに個々の日本人が路頭に迷うかどうかは、本人の能力と努力次第。出来るヤツなら多国籍企業の正社員になればいい。出来ないヤツなら単純労働者になってゼロから頑張ればいい。
最悪、日本人が民族として消滅しようと、それは日本人の権利だ。

善良で冷静な判断力を持った人間なら、当然ショックを受けずにはいられませんね。


 おおよそ、この記事の内容は私も賛成します。実際、朝日新聞の報道姿勢は明らかに間違っているし有害だけれども、朝日新聞を廃刊にしたら、さすがに色々とマズイだろという趣旨の記事も過去に書いています(『朝日幹部「産経やSAPIOみたいなメディアはクソあいつらは取材力が劣ってる」』http://achichiachi.seesaa.net/article/405781800.html)。

 同じに扱うことは出来ないのですが、私は、佐藤健志さんが紹介したコメントのやり取りを見て、私の知人がTwitterで、経済学を過剰に敵視する一部の評論家に関して「「学」のほうじゃないんだ!けいざんなんだ!とか、なんかよく見るけれども、けいざいを分析する道具って「学」のほうから来てんじゃないのか。」とツイートしいたのを思い出しました。私は、それに対して、「つまり経済学が間違ってるというより、間違ってる経済学があるということか?」と尋ねたところ、「そうだ」と言っていました。

 つまり、何が言いたいのかというと、確かに、経済学も色々と問題点や間違っている点も存在するが、それを丸ごと否定して捨て去るのもまた愚かだということです。さらに、結局、現実の経済を分析するツールが経済学である以上、やはり正しく経済を認識するためにも、正しい政策を実行するためにもやはり経済学というツールは必要不可欠であるということなんです。

 これは、朝日新聞にしても同じようなところがあって、特定の言論機関に問題があるからといって、言論自体を消してしまおうというのは、何の解決にもならないどころか、実際にはほぼ確実に状況を悪化させるだけの結果に終わるんですね。ほら、『恋愛サーキュレーション』でも

言葉にすれば消えちゃう関係なら
言葉を消せばいいやって
思ってた 思えてた
だけどアレ?なんか違うかも・・・


って言ってるじゃないですか、何かが問題を含んでいるからといって、その特定の何かそのものを消してしまうことは解決にならないんです(え?たとえが分かりにくいって??)

 もちろん、より良い経済分析を行う上で経済学、あるいは経済学の修正改良は不可欠であるのに対し、「より良い言論や、より良い報道において朝日新聞など不要だ!!」と考える方もいるかもしれません。しかし、それでも、先のコメントにもあったように、日本国内における最大手の報道機関である朝日新聞の記事作成能力や取材能力といったノウハウの蓄積を破壊することは大きな損失であるわけです(実際、朝日新聞の記事のおよそ9割以上は捏造や自虐史観や国益の毀損とは無関係の記事です、問題のある1割以下の記事のために新聞自体を廃刊にすべきなのか?という素朴な問題もあります)。

 無論、これ以上は決して越えてはいけない一線というものは存在するでしょうし、慰安婦捏造問題が、倫理的に決して越えてはならない一線であると考える人も多いでしょう。仮に、その主張に一定の正当性を認めたとしても、やはり朝日新聞を廃刊させることは問題の解決にはならないでしょう。何故なら、慰安婦問題は、すでに非常に厄介で複雑な国際問題にまで発展しており、朝日新聞に事実の検証や、あるいは海外向けの謝罪や訂正をさせない限り問題解決とはならないばかりか、真実を闇に葬り去ることにもつながりかねません。sれでも納得いかないという方は、何故、感情的にはすぐにでも死刑にすべき大凶悪犯を生かしたまま、何年もかけて裁判や取り調べを行うのかを考えてみるべきです。

 これはあくまで私個人の意見ですが、結局、どのような問題を考えるにしても(特に日本のような民主主義国家においては)何らかの問題を解決するに際して、すぐさま問題を解決してくれるような魔法のステッキもドラスティックな手段も、存在しないということです。ただ有効なのは、延々と続く絶え間なき改善改良、漸進的な変革であって、このような絶え間なき前進(あるいは漸進?)や改善の困難に耐えられなくなり、それを放棄し、そして、安易な解決策やドラスティックな改革に飛びついた時こそ、人は、まさに、「善良で冷静な判断力を持った人間なら、当然ショックを受けずにはいられない」ようなあまりにも無法で野蛮なフランス改革の中心を担った大衆人に堕するのではないでしょうか?



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