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2014年02月23日

小説『笑わないセールスマン』第二話〜いっさいの書かれたもののうち、血で書かれたもの〜前編

第一話⇒http://achichiachi.seesaa.net/article/389252432.html


 東京都渋谷区のとある女子高での朝礼にて

「えー、すでに話題になっていますので皆さんご存知と思いますが、ここ渋谷区内で2ヶ月の間に3件の誘拐殺人事件が起きております。そのため皆さん決して夜遅くには出歩かないように・・・・」

「ねえねえ、知ってる?」
「何を?」
「この事件の3人の被害者ってみんな・・・・なんだって。」
「ウソ、何それ怖ーい。」


7ヶ月前 

「はあ、ダメだ。」
 俺は小山純次、18歳で小説家を目指して家を出て東京に、結局東京に来て分かったことは、フリーターはみじめだという事、それから・・・それから俺に小説家になる才能は無いという事。 結局、それなりに居心地のよい職場でバイトを続けて、もう今年で34歳になる。

 なにが、悲しいかといえば、地方の片田舎でダラダラとつまらない人生を送ろうとしていた昔の地元の仲間たちに半ば呆れ、そしてもう半分では軽蔑し、そして俺だけは、こんな下らない連中と同じような人生は歩むまいと決心して東京に出てきたこの俺が、今では昔の仲間たちのうちの誰よりも惨めな人生を送っているという事実である。

 地元に戻れば、昔のつるんでた仲間たちは皆、おおよそ定職に就いて結婚している。東京に出て、定職も就かずにフラフラしている俺に、どこか遠慮がちに接するようになったあいつらの態度がどうにも気持ち悪さを感じるようになって以来、地元に帰ることもほとんどなくなってしまった。

 それも自業自得か?おそらく、今俺が奴らのよそよそしい態度をなんとなく感じ取り、それに対してなんとはなしの不快感を感じるように、おそらく、奴らも俺に対して不快感を感じ続けていたのだろう。そう、地元でつまらない仕事を見つけ、大したこともないしょーもない女と結婚して、それで「まあまあの人生だよ」なんて言いながら、酒場で仲間と安い酒を飲みながらぬるま湯の中で、互いに「これでいいんだ」と納得し、納得させ合うような人生を歩むことを良しとする彼らを密かに軽蔑する俺に対して。

 いや、もしかしたら、そんな形式的な、慣習的な儀式すら彼らには不要なのかもしれない、もはや、彼らはそのほかの可能性を感じ取れないくらいには麻痺していて、それを受け入れることに疑問を持たない程度には絶望しつつ、しかもある意味で大人なのだ。


ピンポーン

(来客か、珍しいな)
「はい」

「どうも、今日は面白いものをお持ちしました」

 妙に、青白い顔をしたセールスマン、なんとなく気味が悪かった。いつもなら、さっさと追い返すところなのだが、なんとなく彼の話を聞いてみようと思ったのは、彼のその独特の雰囲気ゆえだったのだろうか。

 男が持ってきた品物は万年筆と注射器だった。なんでも、その万年筆には不思議な力が込められており、あらゆる文筆家の才能を開花させてくれるとか。なんともよく聞くような話で、ゴシップ誌の広告にある金運を上昇させる財布や、幸運を呼ぶペンダントと同じような類のものか?と半ばうんざりしていた。しかし、それではこの注射器は?

「この万年筆の使い方は実に簡単で、付属の注射器で採血していただき、その血液をインク代わりに使っていただければ結構です。そうすれば、必ずや、あなたの中に眠っている真の才能が開花することでしょう」

「・・・(何言ってるんだコイツは?)」

「もう、こんな安アパートで、下らない、うだつの上がらない人生を送るのは散々でしょう。」

(こいつ、俺のことを知っているのか?)

「平々凡々な何の面白みもない人生を歩むことに、疑問すら持たない地元の仲間たち、そんな彼らを軽蔑して、東京に出てきたものの、馬鹿だったのが自分で、ドラマチックではないけども無難なほどほどに幸せな生活を手に入れるという正しい選択をしたのが実は地元に残った彼らだったなどと認めることがあまりにも屈辱的であり、それを認めないことだけで、自分の安いプライドを保ってる」

「・・・ちょっと何言ってるんだか、よくわかりませんね。」

「もう、あなたもいい加減気づいているでしょう。あなたが望む人生を手に入れられるのは、極めて希な才能を持ったごく一部の人間しかいないということ。そして・・・あなたにはその才能がないこと。このペンは、あなたの想い描いていた人生をつかむための最後のチャンスですよ。」

 批判というものは、その批判が的を得ていればいるほどに、そして的確であれば的確であるほどに、人を苛立たせるものだ。彼の言葉によって大変気分を損なったために、俺はそんなもの必要ないと言い張ったが、「お代はいりませんから、とにかく置いておくので気が向いたら使ってみてください」と言って男はその万年筆を置いていった。

(さて、あの時、男の申し出を断ろうと、そんなものいらないと言ったのは、そんな万年筆に不思議な力が込められているはずがないという意味だったのか、それとも、もはや俺は自分が過去に思い描いた人生を実現することすら必要ないという意味だったのだろうか・・・?)

 えてして、人は自分の考えや、心すらわからないことがしばしばある。それは客観視が出来ない分、もしかしたら、他人が考えていること以上に、自分が考えていることはわからないのかもしれない。

 なにとはなしの反発からか、日常生活の忙しさ、あるいは惰性からか、一週間ほどは放置していたのだが、とある時、説明書通りに使ってみた。使えばすぐさま奇跡が起こった。自分が書いているというより手が、いやペンが勝手に動き出しているような感覚に囚われた。採血のしすぎでクラクラしてきたときには短編小説1冊分の物語が出来上がっていた。
そして、ワープロで打ち直した(もちろん血で書かれた原稿をそのまま持ってはいけないので)原稿をコンクールへ投稿。
最優秀新人賞を取ったときには取った時、このペンが本物であることを確信した。


 ピンポーン

 玄関を開けるとあの男が立っていた、この万年筆を持ってきた、青白い顔をしたあの男だ。

「小山さん、非常に申し上げにくいことですが、このペンを使い続けたら、あなたは死にます。限度はあと15回といったところでしょう。ただちに使用を中止してください」

 もちろん気づいていた、このペンを使い続けて約5ヶ月、体はどんどん痩せ細り体調もどんどん悪化していた。そう、まるでこのペンに生命力を吸い取られているかのように・・・。
 もはや、よい小説が書けるか書けないかは問題では無くなっていた、このペンを使いただ無心に物語を書き綴る。それが至福の時であり、唯一の癒しでもあった。そして、なにより、このペンを使うのをやめることで、希望もなく、なんの意味があるかもわからないままひたすら物語を書き続けるあの時の生活に戻ることに心底恐怖した。しかし、どうやらあと数回しか使えないようだ、男の警告以上に自分の体がそう伝えていた。

「もうダメだ。コレがなくては生きていけない。」
「しかし、もうこれ以上は血を使うことができない。」
「前の作品はドラマ化まで決まったんだ。今更、これのペンを捨てることなど出来ない。死ぬ気で・・・いや、このペンで書く作品のためなら死んでもいい・・・もともとゴミのように、あるいは地に這いつくばる蛆虫のように下らない人生だったのだから」

 そう、このペンは地を這いつくばっていた蛆虫の精神に、蝶のような軽やかさと野生動物のような力強さを与えてくれた。オリンピックに出場するアスリートの多くは金メダルを取れるなら、それと引き換えにメダルを獲得した一年後に死ぬことになったとしても構わないと言う。それと同様、仮に、残りの寿命が10分の一になると宣告されても俺はためらうことなく使い続けただろう。だが、言うまでもなく死んでしまえば作品は書く事が出来ない・・・そう思い悩んでいた、ある考えがその男の頭に浮かんできた。

「もしかしたら、これは自分の血である必要はないんじゃないか?」




 東京都渋谷区のとある女子高での朝礼
「えー、すでに話題になっていますので皆さんご存知と思いますが、ここ渋谷で2ヶ月の間に3件の誘拐殺人事件が起きております。そのため皆さん決して夜遅くには・・・・」

「ねえねえ、知ってる?」
「何を?」
「この事件の3人の被害者の死体は皆、全身の血液を抜かれた状態で発見されたんだって。」
「ウソ、何それ怖ーい。」


 第二話⇒http://achichiachi.seesaa.net/article/389532483.html

ASREADの記事珍しく結構拡散されてました。こちらもよろしくお願いします!!⇒『橋下大阪市長出直し選挙に見る議会制民主主義の劣化』http://asread.info/archives/468




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posted by 古谷経衡と倉山満による不当な言論弾圧を許さない市民の会 at 13:20 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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