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2013年12月20日

匿名ネットユーザーの愚劣さ・・・

 先日書いた記事(『チャンネル桜のTPP討論があまりにも酷かった事と、リスクを全く認識できない日本の政治家及び評論家の問題・・・』http://achichiachi.seesaa.net/article/383024625.html)に付けられたコメントがあまりにも酷かったので、今回もコメントの紹介&解説をしてみたいと思います。

中野のような天下り官僚貴族が経済統制すれば物価も資源も安定し失業もなくなって所得も上がって生産も経済規模も生活水準も向上し勤労意欲も上がって幸せになれるんですか。

すごいすごい。計画経済で良かったですねー(呆
Posted by 天下り犯罪中野剛志 at 2013年12月19日 14:47


もちろん、こんなコメント勝手に削除してしまえば済む話ではあるんですけどね┐(´-`)┌

 面白いのが、この記事中、中野剛志という言葉が一言も出てきていない点です。何の関係もない記事に対して「中野剛志は天下りの共産主義者の犯罪者だー!!」と絶叫している様子を見ると、この人が今やるべきことは政治や経済に対する議論などではなく、さっさと精神科にでも行って頭がおかしくなっていないかチェックし必要ならば治療やカウンセリングを受けることでしょう。ちなみに、過去数回に渡って延々「お前は共産主義者だー!!」というコメントを書き連ねていたのはこの方です・・・。

 ある風刺紙の標的とされ、大衆の笑いものにされた経験から『現代の批判』を書いたキルケゴールは、その著書の中で、大衆から不当なバッシングを受けた際に取るべき身の処し方に関してこのように述べています。

 このような関係にわが身をおいて考えてみる人は、おそらく、ひどい目に会った善良なほうの人に注意を向けて、あの人はひどく不幸せな目にあったものだ、と言いたくなることだろう。この見方には、わたしは全然賛成できない。というのは、最高のものに到達できるように手を貸してもらいたいと思う人にとっては、このような不幸に耐え抜くことこそ身のためになるのだと思うからである。

 まさに賢人の取るべき態度であると感心するものではありますが、このような身の処し方が果たして大衆化の行き着いた姿ともいえる現代のインターネット社会にもそのまま適用すべきかについては少々疑問に思えます。

 かつてインターネットの勃興期においては、インターネットが人々のリテラシーを高め、特にそのインターネットと既存のマスメディアの大きな違いの一つとしてその双方向性を挙げ(最も、本質的な意味においては非常に反応的であり、マスメディアが情報を送る対象である大衆の反応に非常に敏感に反応する装置であると私は考えていますが・・・)、その双方向性を生かしたネット空間での議論が人々のリテラシーを飛躍的に向上させ、社会全体の知性の向上につながりうるという非常に楽観的なネットユートピア論が存在しました。

 実際に、私もインターネットに触れ、そのツールとしてのポテンシャルの高さに驚き、これは人々の知性に非常に大きな影響を与えうるものであると素朴に信じもしました。しかし、現実はどうでしょう?

 以前、私はASREADの記事(『インターネットが招く現代の危機』http://asread.info/archives/18)にて、

現在、ブログやツイッター、フェイスブックといったツールの開発によって、誰でも気軽に情報が発信できるようになったものの、中には小賢しい知識と呼んで差し支えないような情報や理屈を並べ立てて偉そうにしている人々が少なからず存在します、おそらく皆さんもそういう種類の人をネット上で見かけたことがあるのではないでしょうか?

おそらくは、このような種類の人々こそ、情報技術の発達による情報の氾濫と、判断能力の衰退という二つの現象が生み出した犠牲者の最も典型的な姿なのだと思います。


と書きましたが、まさにインターネットという技術の進歩がもたらした帰結としては、社会全体のリテラシーの向上以上に、このように特定の考えや教義に囚われ情報に振り回される哀れなエセ知識人風一般人を増やすだけの結果に終わったように思えます(もっとも、今後どのように進んでいくかについては未だ未知数ではありますが)。さらに酷い例を挙げればインターネットマウント勢などという種類の人間も存在します。(不毛の連鎖! ネット上で優越感を奪い合う”マウント勢”とは? http://togech.jp/2013/12/16/4878

 ネット上で行われている議論の有効性についても私は非常に懐疑的です。佐伯啓思さんは、現代の日本の言論の状況について、「あちこちで皆が好き勝手ワーワー叫んでいるだけで、それらの個々の言論のあいだに何の対話もまとまりもない」というような趣旨のことを述べていますが、まさにネット上の言論や議論においても全く同様の現象を起こっているように思えます。

 例えば、ここのブログのコメント欄とのやり取りにおいても、こちらがどれだけ真面目に対応して一つ一つの議論に関して反応をしても、匿名でコメントする側は、こちらのレスポンスは全く関係なしに、論点をあちこちに飛ばしては、自分の言いたい主張だけを一方的にワーワー騒ぎたて、さらにそれでも旗色が悪くなってくれば、人格批判やただの罵詈雑言を繰り返すワケです。これでは、議論を通しての双方のリテラシーの向上など到底望めないでしょう。

 このような状況においてもなお、非常に楽観的なネットユートピア論を唱え、「ネットから社会を変えるのだ!!」などと叫んでいる人もいて、まあそれはそれで結構ではあるのですが、せめてこのような少なくとも現在の利用状況において、そのツールとしてのポテンシャルと比して、あまりにもお粗末でどうしようもない現状を直視し、その原因をしっかりと分析した上で、「そのツールを如何に有効に活用すべきか?」という議論を進めていって欲しいとイチネットユーザーとして切に願います。


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