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2013年09月14日

消費税問題と、盲目的安倍信者への不信感について・・・

 最近、ネットの一部で消費税増税の議論や、消費税問題に関するマスコミの報道について問題になっており、その中の一部の人々は
「マスコミは、消費税増税はまだ決まっていないのに、決定したかのように報道している、これは既成事実化によるマスコミの悪質な世論誘導だ!!」
などと論じている。

 この問題については、以前書いた記事(『安倍首相は、TPP交渉離脱も、消費税増税先送りもしないだろうという予想と、その根拠・・・』http://achichiachi.seesaa.net/article/371513558.html)にコメントで面白い考察が書き込まれていたので、ぜひ紹介したい。

 安倍総理に全幅の信頼を置く人たちは 閣僚から消費増税に関する発言があったとしても、その一言一句を忖度して、“増税するとは明言してない、首相の発言は一ミリたりともブレていない””マスコミの既成事実化に騙されるな”とすがるような思いで強弁していますが、
 本当に増税を先送りするつもりならもっと政府高官から増税を凍結するぞという発言が聞こえてこないとおかしいですし、”消費増税時の価格転嫁を円滑にする特別措置法”などというどうでも良い法律を今年6月の時点で通す理由がありません。また、財務省は2014年度予算に消費税増税を前提とする二段階査定方式を強要するなど、増税に向けた地均しは着々と進んでいます。
首相や官房長官の口から、増税への慎重発言が出ることもありますが、消費税増税問題に対して「熟慮」を重ねたというアリバイ作りに過ぎないでしょう。(中略)

 三橋さんは「マスコミは増税を既成事実化しようとしている。 既成事実化に踊らされるな。」と書いていますが、実際三橋さんが「新聞やテレビの飛ばし記事だ。まだ決まっていない。」と予測し、蓋を開けてみて飛ばしに過ぎなかった事象はどのくらいあるでしょうか。 私が知る限りは自民党総裁選で安倍総裁誕生しか思いつきません。 昨年6月の増税3党合意、維新の会と旧たちあがれ日本との合併、安倍首相のTPP交渉参加・・・ 新自由主義、構造改革的政策に関しては「既成事実」がそのまま「事実」になっていることばかりで、これまでの自民党幹部の発言や成立してきた法律なども鑑みると、 秋に増税決定するのはマスコミの飛ばしである などというのはあまりにも楽観が過ぎます。


 この方は、一部の論客が散々に「○○はマスコミによる既成事実化だ!!」と騒ぎ立てたものの蓋を開けてみればマスコミの報道通りそれが事実になってしまった例を複数挙げているが、特に顕著でかつ深刻な問題であるのがTPPの交渉参加などだろう。

「安倍さんは国益を重視する政治家だから!!」
「安倍さんは瑞穂の国の資本主義を掲げて選挙に勝ったのだから!!」
などと根拠薄弱な理由を並べ立て、
「きっと安倍さんはTPPに反対してくれる」
などと楽観的な希望にすがっていたものの、現実には安倍さんは参院選を前にTPP交渉参加を表明、農業分野に多大なダメージを及ぼすことがほぼ確実視されている状況で、参院選前にTPP交渉参加を決定すると農村地域での支持を失うと予測していたために、日本のTPP参加を熱望していたアメリカまでもが参院選前の交渉参加表明には驚くといった始末。保守派の論客は誰も触れないが、はっきり言ってこの参院選前の交渉参加決定は、農村地域の選挙民に対する裏切りであると同時に、農業といった生活の基盤となる第一産業より、グローバルに展開する大企業を優遇するという決意の表明でもあるだろう。仮にギリギリまで粘った末、どうしてもアメリカの圧力に抗しきれず仕方なしにTPP参加というのならともかく、この参院選を不利にしてでもアメリカや財界に評価してもらうために参院選前に早々にTPP交渉参加を決定してしまった安倍さんが今後どれだけ、瑞穂の国の資本主義などと騒いだところで、所詮それは理念だけを根拠にした全く実態を伴わない空語、さらに悪く言えば保守派へのご機嫌取り程度にしか解釈のしようがない。

 さらに呆れるのは、このTPP交渉参加決定後の一部の保守論客の取った安倍首相弁護の姿勢である。TPP交渉参加前には、TPPに賛成する人間は売国奴だ!!と一部の論客や政治家を徹底的に糾弾していたくせに、ひとたび安倍首相が交渉参加を決定するや、
「アメリカとの関係があるからいきなりTPP不参加は難しい」
だの
「TPP交渉参加というたった一つの事実を取って大げさに安倍バッシングを始める連中こそが売国奴だ!!」
などと、まさに倒錯したとしか言い様のない弁護を始めだしたのだ。

 ちなみに補足しておくと、このような理屈を述べている論客の代表である倉山上念両氏に関して、実は彼らは初めからTPPに反対などしていない。倉山上念両氏がTPP参加に反対していたと考えている人は多いかもしれないが、実際には彼らは、民主党のような交渉力のない政党が政権を握っている状態ではという限定付きかつ消極的なTPP参加反対の立場であったので、彼らにとって自民党になってしかも紙の如き交渉力と政治力と政治的判断能力を有する安倍さんが首相となったとあってはTPPに反対する理由など何一つないのである。つまり、仮に真っ当な理由からTPP参加に反対していた人達が、上念倉山両氏の意見に賛成するというなら、それはまさにTPP賛成派の連中の口八丁にまんまと乗せられたとしか言い様がないのである。

 少し話が脱線してしまったので、ここで消費税の問題に戻ると、一部の安倍支持者の間ではあたかも安倍首相が本音の部分では消費税増税に反対していると思っているようだが、残念ながら安倍首相自身は去年の衆院選の前から、消費税増税に反対するなど一言も言っていない。ひたすら言い続けていたのは「来年の秋に景気動向等を見て判断する」の一言である。一体、これをどう解釈すれば安倍さんは消費税増税に反対していると読み取れるのか?是非とも教えて欲しいものである。

 これはあくまで推測に過ぎないが、おそらく安倍支持者が安倍首相が消費増税に反対していると考える根拠はこうである。
「第一に安倍首相はデフレ脱却を経済の分野における最優先課題に挙げている、次に消費税増税はデフレ脱却という目標に対して不利な影響を及ぼす、そして最後にだからデフレ脱却を目標に掲げる安倍首相は消費増税に反対するだろう!!」
と。確かに、こうみれば、なるほど安倍首相は消費増税に反対してくれるに違いない!!と考えられそうだが、これが成立するためには、また二つの前提条件が必要になる。それは

1 安倍首相がしっかりとした論理的判断能力を有している
2 安倍首相が常にそのしっかりとした論理的判断に基づいた政治的決定を行う

という二つだ。しかし、TPP交渉参加までの経緯を見るに、「瑞穂の国の資本主義」を掲げていたにもかかわらず早々にTPP交渉参加を決定してしまった安倍首相がこの二つの条件を満たしているようには俺には思えない。

 ならば、頭の中で勝手な願望に基づいた憶測に頼るよりは、実際に安倍さんが口にした発言をもとに判断するしかないだろう。そこで安倍さんの発言をもう一度見てみると、安倍さんは消費税問題に関してこのように発言している
「来年の秋に景気動向等を見て判断する」
次に、消費増税法の附則18条から消費税増税引き上げの判断基準を見てみると
消費税率の引上げに当たっては、
経済状況を好転させることを条件として実施するため、
物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、
平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

つまり、消費税引き上げの重要な基準は名目成長率3%程度、実質成長率2%程度となる。内閣府社会総合研究所が発表した、今年の第二四半期のGDP速報(第一次速報)を見てみると(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2013/toukei_2013.html

年率換算で、
実質+2.6%
名目+2.9%

となる。これら諸々の条件をもとに総合的に判断するなら消費税増税はほとんど決まったようなものだと判断するのが妥当ではないだろうか?

 さて、そこで気になるのは、「消費税増税はやばい!!」「消費税増税は日本経済に深刻な悪影響をもたらす!!」と散々に騒ぎ立てた人々が、安倍首相が消費税増税を決定した場合に、どのような反応を示すかである。

TPPの時は、TPP交渉参加を決定した安倍首相を擁護する保守派の姿が
「民主党のTPPは汚いTPP、自民党のTPPは綺麗なTPP」
と揶揄された

8月15日の靖国不参拝では、民主党の首相の不参拝は臆病で逃げ腰な売国的不参拝だと散々に避難したのに、安倍首相の不参拝は中国と韓国にプレッシャーを与える戦略的な不参拝だと言った人間もいた。

さて、最後自民党の消費税増税に関しては、大局的観点から決定した消費増税などとでも言うのだろうか?それとも「消費税増税を決定したくらいで安倍首相を批判する奴はスパイか売国だ!!」などとまたヒステリックに騒ぎ出すのだろうか?

果たして、どうしたところで、うんざりするような未来しか想像できないのは筆者だけではないだろう・・・



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posted by 古谷経衡と倉山満による不当な言論弾圧を許さない市民の会 at 14:16 | 神奈川 ☁ | Comment(3) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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