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2013年06月30日

『TPP 黒い条約』(著 編集中野 剛志 著 関岡 英之 岩月 浩二  東谷 暁  村上 正泰  施 光恒  柴山 桂太)を読んで〜TPPで日本が交渉を有利に進められない二つの理由〜

 今回は、前々回の記事(『安倍首相の一貫した哲学について・・・』http://achichiachi.seesaa.net/article/367625342.html)の続きと、それから先日発売された本『TPP 黒い条約』で施光恒さんが書いた文章を参考に、日本がTPPの交渉を有利に進めることが不可能な理由について説明してみたい。

 まず、最初に確認しておくべきは現在の貿易交渉は戦後長く続いたGATTによる各国がそれぞれ相手国の個別の事情を考慮しながら政府による保護的政策を取りつつ関税を段階的に引き下げていくようなカタチの自由貿易交渉ではなくなり、むしろ相手国側の制度を自国の産業にとって有利なカタチに変えることを目的とした交渉であり、このような交渉においては交渉国の政治力や交渉力といった力関係によって結果が大きく左右されるのだという事。よって、日本のようにアメリカに軍事的に依存しているような国家は当然ながらアメリカに堂々自国の利益を主張できるわけもなく、結果としてほぼ確実に日本にとってTPPのような貿易交渉は不利な結果に終わるであろう事は容易に予測が出来る。

 何より、それを端的に表しているのが、TPPの交渉において「守るべきところは守る」とだけしか言う事の出来ない安倍総理の発言である。そもそもアメリカは日本の様々な分野の市場をこじ開け、さらには日本の国内の法律まで自国に有利なように変えさせようとしている中で、逆に日本の側はアメリカに要求する具体的な案は何もない。つまり、日本は一方的に殴られてリンチされにいくようなものである。ここような状況を考えれば、安倍さんの「守るべきものは守る」という言葉は、単に「これからリンチされに行くけど出来るだけ大怪我しないように頑張るね」と言っているに等しい。一方的に殴られに行く行為を称して国益だの日本国家の長い将来を見据えた上での決断などと言っているのだから、もはやなんとも・・・。

 さらに、今回はそのような政治的な力関係を抜きにしても日本はTPP交渉でアメリカに勝つ事が出来ないであろうと思われる理由を二つほど上げてみたい。まず、第一には日本人は気質的にそもそも交渉相手国に自国にとって有利なルールを押し付けて、さらには相手国の制度そのものを変えてやろうなどという政治的意志や野心を持つような気質ではないということ。『TPP 黒い条約』のなかで施光恒さんはTPP交渉に向かない日本人の気質についてこのように書いている。

 TPP交渉の場における日本の交渉力に期待する声も聞かれるが、私は、まったく期待できないと思う。
 日本人はそもそ自己主張するのが不得手である。自己主張という行為よりも、他者の気持ちを言外に察知し他者の視点から自分自身を批判的に見て自分の行為や感情を修正する行為のほうが尊いと考えてきたからだ。他方アメリカは、自己主張価値を置く文化である。アメリカ人は自己の要求を明確に掲げ他者や周囲の状況を変容させることに自律性の発揮を見る傾向がある。
 実際、アメリカの多くの人は、「自分たちのルールや制度ややり方こそ、普遍的であり、それを世界に広げるべきだ」とわりと素朴に考えているようだ。あるいはそこまで単純じゃないとしても、アメリカ人やアメリカ企業の多くは「自分たちがなじみやすく活動しやすい場を国外に広げてやるぞ!」と戦略的に思考していると言えよう。
 そういう相手と対等に交渉するために日本側に必要なのは、安倍首相のように「国益は必ず守る」という、最初から守備的な姿勢でない。そうではなく、「日本の積み上げてきたルールや制度ややり方こそ、普遍的であり、世界に広げるべきだ」という強い信念である。あるいは、「日本人に有利な環境を、日本国外に何が何でも広げてやるぞ!」という攻撃的な心構えである。たとえば、「日本語を域内の公用語として認めさせてやるぞ!」、あるいは「軽自動車規格を他国にも普及させてみせる!」といった野心をもって交渉に当たる必要がある。
 だが、日本人には、このような交渉はおそらくできまい。苦手というだけではなく、TPPのように各々の伝統や風土を考慮せず、単一のルールや制度で多様な地域を覆うという試み自体にあまり意義を見出せないというのが本当のところだろう。
 日本人の多くは、流動性が低く譲り合いを尊ぶ共同体的環境に長く暮らしてきたからか、あるいは一神教の国ではないからか、自国の慣行やルールや制度を他国に押しつけることを望ましいことだと考えていない。加盟各国の文化や伝統、発展段階、国土の特性、産業構造などを無視し、社会制度を大規模に変革し、統合された単一の市場を合理的につくり、互いに互いの国内需要を奪い合う競争をするというTPPの根本的発想自体が、アメリカ的であり日本人の肌には合わない。(p222)


>「自分たちのルールや制度ややり方こそ、普遍的であり、それを世界に広げるべきだ」とわりと素朴に考えている多くのアメリカと比較して、日本人は内田 樹が『日本辺境論』で書いたように、「常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民」というようなアイデンティティーを持っており、少なくとも自国のルールや制度が普遍的であるなどとは考えておらず、ましてやそれを他国に押しつけて世界中に広めてやろうなどとは夢にも思わない、TPPのようにそれを自国企業の営利活動を有利に進めさせるためなどという理由で行うとするならなおさらである。つまり、日本人はTPP交渉を有利に進めるための精神的、気質的な適性を持っていない。

 そして、第二には日本のTPP交渉に当たる官僚や政治家が日本にとって有利な条件とは何か?という事を理解していないという事。前々回の記事で書いたように当の安倍首相自体がこの深刻な20年以上続くデフレという、何が何でも自国の需要を他国に奪われたくない状況にあってすら、「国を開くこと、日本の市場を、オープンにすること」が「政治家となって以来、私の中に流れる一貫した哲学」などとトンチンカンな事を言っている始末である。おそらくこの絶望的に間違った哲学はTPP交渉においても如何なく発揮される事だろう。出来る限り巧妙に自国の市場をガードしつつ、相手国の市場を開いてやろうと考える政治的意図にこの哲学は見事にマッチしてくれる。このような両国の非対称な政治的意図のもと行われる交渉は見事に日本の国益を損ねる結果となるだろう。

 さらに、現在TPP交渉参加各国が大変懸念しているISD条項についても、かつて中野剛志さんが述べたように、日本の外務省は日本がTPP交渉において確保したいルールの一つとして挙げているのだ。お隣韓国では自国の環境や各種安全基準を破壊される懸念があるとして毒素条項とまで呼ばれているこのISD条項を、日本の確保したいルールの一つとして挙げてしまっている事実を見れば、そもそも日本の側が、一体自国にとって有利な条件そして、そのルールな条件を確保するために如何に交渉すべきかという事が全く分かっていないといいうことは明らかである。

 つまり、ここまで挙げてきた条件をまとめるとこうである。日本はそもそも政治的にアメリカと対等に自国の利益を主張し合うような関係にはない。そして、そのような不利な条件に加え、日本はTPP交渉において自国に有利なルールを他国に押しつけてやろうなどという政治的な意志も野心もなく、更には、そもそも自国にとって有利なルールとは何か?という最も基本的な知識や見識が欠けているという有り様なのだ。これらの事実に加え、日本が参加出来る交渉は最後のたった残り1回しかないという事を考慮してもなお、日本はTPP交渉によって、自国に有利なルールを策定してTPPによって日本が繁栄できるという主張する論者がいるならば、ぜひその客観的根拠を示して欲しいものである。



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posted by 古谷経衡と倉山満による不当な言論弾圧を許さない市民の会 at 11:18 | 神奈川 ☀ | Comment(1) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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