「何故こんな問題に対処できず日銀による通貨流通量の増加も、国債の発行も簡単に為されないのか」
という問いで終わったが、今回はその問いの答えを出す予定であったが、その前に改めて、国内(あるいはその他限定された地域内)における経済の特性について何点か確認したい。
以前、堂免 信義氏の『民富論』という本について、このブログでも解説させてもらったことがある(http://achichiachi.seesaa.net/article/102177147.html)
この本では、個人消費と企業の設備投資というものを非常に重視しており貯蓄は悪であると断じている。
確かに、資本主義経済において個人消費は非常に重要な要素であり、これの活性化なくして真の意味での経済の活性化はないと言ってもいいかもしれない(サブプライム問題発生前の日本の状況を思い出せば実感しやすいかもしれない。企業業績のみが上がり好況と言われながらも国民にその実感は無かった)。
たしかに、個人消費が活性化しなければ経済の活性化もあり得ない。では、政府は景気をよくするためには個人消費が活性化されるようお祈りすることくらいしかできないのだろうか?
もちろん、その答えはノーである。
貯蓄と言っても、現代人の多くはタンス預金などせずに銀行等の金融機関(※以下面倒なので銀行で統一)にお金を預けるだろう。そうなると銀行は預かった(預金者から借りた)金を様々な投資先に投資することになる。この投資先の一つが企業への投資である、企業が銀行から借りた金を使い様々な企業活動を行っていけば、景気は活性化することになる。しかし、消費が停滞している状況では企業活動も活発化せず、有望な投資対象が見つからない可能性もある。そこで、他の代表的な投資先の一つが国債の購入がある。
これは、政府が銀行を介して間接的に国民からお金を借りることになる。ここで、政府が積極的に公共事業を行えばGDPは増加し、市場に金が供給されることになり景気が活性化する。
つまり、必ずしも自然と個人消費が活性化することを待たずとも、金が回っていくサイクルのうちどこがで金の流れが活性化すれば、金が市場に流通し経済が活性化されることになる。
市場に金が流れる条件は主に4つ
1、個人消費が活性化した場合
2、企業投資、企業投資が活性化した場合
3、政府が積極的に公共事業を行った場合
4、日銀が通貨の発行量を増やした場合
4の「通貨の発行量を増やす」は、基本的にその通貨の価値を下げることに繋がるので、可能な限り1〜3の方法で市場に金を流通させるのが望ましいが、日本のような余剰生産力のある国家においては4の手段が即インフレにつながるようなことはないだろう。
3の集団も、政府に十分な現金が必要であり、国債が売れ残るような状況の国家では容易ではない。その点では日本は現預金の資産が非常に多いので、他国と比較して圧倒的に国債を発行しやすい状況にある。
3と4の手段を最も取りやすい国家が日本であり、政府や日銀の適切な政策を行えば、理論上は(他国に比べ)最も容易に景気をコントロールできるはずなのである。
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